ザトシはやっとの事でグラーダに追いついた

ザトシ「はぁ…ぐぇ、疲れた。」
グラーダ「ザトシ、ここは大火山の裏口だよ。
　　　　　ここなら荷物検査無く入れるよ。」
ザトシ「…ここか。俺にぁ何も感じないが、確かにここで何か
　　　　異変が起きているんだな？」
グラーダ「間違いないよ。まだわずかな揺れが続いている…。
　　　　　この超微動の地震はもしかして…ある古い文献の"浮岳鳥伝説"
　　　　　っていう項目に書かれていたのと全く同じのかも…。」
ザトシ「"浮岳鳥伝説"だとぉ？」
グラーダ「うん。確かその項目には…、"ごくわずかな揺れが長時間続いた後、
　　　　　これまでに例を見ない大地震と大噴火が同時に起こった"みたいな
　　　　　感じな事が記されていたんだ…。」
ザトシ「もしかして、何者かが浮岳鳥を怒らせたのか…？」

？？？「大正解だよ。いやぁ、ヴェルモンドの守り神って言うけど
　　　　火口に空き瓶をポイ捨てするぐらいで怒るなんてねぇ…。
　　　　困った守り神だよねぇ…？」

ザトシ「…ふん、お前の仕業か。」
？？？「"お前らの仕業"って言って欲しいね！やったのは僕じゃないよ。
　　　　……行くぞぉ！」

　崖の上から誰かが飛び降りてきた

クエイク「…君はどうやら僕達"伯爵家"と運命の鎖でつながれているようだね。
　　　　　どうせ山頂に行って、ヤモチャカミを気絶でもさしに行くんだろ？」
ザトシ「気絶させるか…。ナイスアイデアだな。そうしようか。」
クエイク「ふっ、確かにヤモチャカミを気絶でもさせたりしたら
　　　　　今から起こるであろう大災害を食い止めれるよ…。
　　　　　おっと、言ってる間に…。ほら、向こうから溶岩が…、」

　ザトシは登山道の入り口を見ると、向こうからすごい勢いで
　鈍い紅色をした溶岩が流れてきた

ザトシ「…おお！危ねぇ！」
グラーダ「わわ！もう溶岩が来てるよ！」

　流れる溶岩は大火山の入り口を通過し、平原へと流れ出てしまった。
　ザトシとグラーダは岩によじ登り、何とか溶岩に巻きこれずに済んだ

クエイク「そうこなくっちゃね。さぁ、この溶岩はこれから城下町へ直行だよ。
　　　　　城下町はヴェルモンドで一番の低地だし、ここからも近いしね…。」
グラーダ「溶岩の被害は食い止める事ができなかった…。」
クエイク「ふはは！あと数時間で大地震と大噴火だ！ヴェルモンド国土が
　　　　　溶岩地獄へと化す！！もうどうしようもできないよぉ！！」
ザトシ「…ならば、俺は次の大地震と大噴火を止めて、被害を最小限におさめるぜ！」
グラーダ「大火山の火口へ急ごう！ヤモチャカミの怒りを止めるよ！」
クエイク「そうはさせないさぁ！僕は君をここで食い止める！うがぉぉぁあぁあ！！！」
ザトシ「やはりか…。ふん、溶岩へ突き落としてやるぜ！覚悟しろよ！」

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