-------------------- 悪魔城 ---------------------
リッド「おい、物置を整理していたらこんな物を発見したぜ。」
クエイク「…む、なんだい?」
リッドは手に持っている巻物を机の上に広げた
シャーバ「お、これはもしかして伯爵家の家系図けぇーな?」
リッド「その通りだ。これは家系図だぜ。ほら見てくれよ、
ちゃんとジュニア様の名前も載ってるぜ、その息子さんの
ソンだってよ。」
クエイク「ソン…。あの子が生まれてからもう5年経ってるよね?
もう悪魔城へ帰ってくるぐらいの時期だよね?」
リッド「お、そうだな!もうすぐ帰ってくるな!楽しみだな!
…でさぁ、ちょっと気になる所があるんだよ、この家系図で。」
シャーバ「けぇー?」
リッド「見てくれよ。この家系図、子供に男しかいねぇんだよ。
結婚相手の女の人の名前は載ってるけどさ。
不思議な事に生まれてきている子供の中には女の子の名前が
全くねぇんだ。今まで男しか生まれていないって事だよな?」
クエイク「ああ、理由は簡単だよ。伯爵家の昔からの決まりでさ。
"伯爵家の跡継ぎにできるのは、前の跡継ぎの子孫の
男性のみ"っていう決まりがあるのさ。
リッド「男しか跡継ぎにできねぇから、女は生まれてこないってか?
そりゃおかしいだろ。」
クエイク「いや…、"女は生まれてこない"という訳じゃなくて…、
"生まれてきたら捨て子になる"んだよ。
だから生まれてきた子供に女の子の名前が無いんだよ。」
シャーバ「けぇー?女の赤ちゃんは捨て子になってしまうって事けぇー?なんでぇー?」
クエイク「…これも伯爵家の昔からの考え方でね。"跡継ぎにできない者は
育てる必要が無い"っていうのが昔からの常識なんだ。
だから捨て子とされてしまうんだ…。
まぁ幸い、伯爵家に今まで生まれてきた女の赤ちゃんはたったの3人で、
そう今までに多く捨て子がいた訳じゃないらしいんだよ。」
リッド「へぇ、そりゃ知らなかったぜ。家系図に女の子供が載っていないのは、
生まれたら捨て子にされてしまうからか…。悲しい理由だぜ。」
クエイク「…確か、ジュニア様が生まれてくる前に、ファダッド様の
子供で一人、女の子が生まれてきたらしいね。
その子はやはり捨て子となってしまったらしいけど…、
まだどこかで、頑張って生きていたらうれしいね…。」
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