ここはヴェルモンドの城下町。国内の中枢地とだけあり、
悪魔城兵士の襲撃が最も激しい地域。
そんな危険地帯に紅髪の戦士が一人。彼の名は陣。
今、彼は町内のとある河辺にて休憩をとっている様だ。
陣「…そういえば、ここ最近ラックスを見かけないな…。
ふん、まさか伯爵家勢力にやられた訳ではなかろうな。
…まぁ奴はそれなりの強者だ。心配する必要も無いな…。」
独り言をたれている彼。
と、その時。
どんぶらこ、どんぶらこ…、河の上流から赤くて丸っこい何か流れてきたのでした
彼は立ち上がり、河の桟橋に乗った。そして
流れてきた丸っこい何かをキャッチ。
グラーダ「ナイスキャッチ!ふぅ、僕は運が良いね。
まさかこんな所で陣と出会えるとは。」
陣「グラーダ…、お前か。」
そう、河から流れてきたのはグラーダ。
彼は運よく陣と出会うことができましたとさ。
陣「…ふん、ここは危険地帯、城下町だ。
早々と去ったほうが身のためだぞ…。」
グラーダ「うん、でも、まだなんだ。まだ去るわけにはいかないんだ。
大事な仲間を助けるまでは。」
陣「"大事な仲間を助けるまで"だと?…それ、どういう事だ…?」
グラーダ「そもそも、その"大事な仲間"とはザトシとラックスの事…。
2人とも、今、かなり危険な状態なんだ。
…と、言うのもね…」
グラーダは、2人が下水道に送られるまでの経路を全て話した
陣「ふむ、今すぐ下水道に向かえという事だな…。
下水道は城下町にある"水道施設"から簡単に侵入できるだろう。
だが、"今すぐ"とはいかない…、俺には先にやるべき事が
あるんでな…。」
グラーダ「"先にやるべき事"?」
陣「…城下町の金山を占拠しているサモム軍、
そして城下町の中枢区を荒らしているレック…。
まずはこの双方をヴェルモンドから追い出さなければならない。
…さすがに伯爵家の上位実力者である2人をこのまま
野放しにしておく訳もいかん…。まずはそれを優先すべき
という事だ…。」
グラーダ「え、でもさぁ、早く助けに行かないと…!
もしかしたらザトシ達、死んじゃうかもしれないよ!」
陣「…ザトシ、ラックス、あの2人が下水道で野垂れ死になんて
ありえない。あいつらはそこまでヤワな人間ではない…。
…グラーダ、今はあの2人よりもヴェルモンド国民の安全を
優先すべきだ…。水道施設に行き下水道に侵入するのは
"サモム軍の壊滅"と"レックの撃退"をし終えてから、という訳だな…。」
グラーダ「……うん、分かった。ザトシ達、死なないよね。
大丈夫だよね、きっと。…よし、陣。
じゃあその2つの任務を早く終わらそうよ。」
陣「…ふん、お前も俺の任務について来るというのか…。
まぁいいだろう。きっといい経験になるはずだ。
…よし、まずは金山に向かいサモム軍を撤退させるぞ。」
グラーダ「了解!早めに終わらそうね!」
目的地は城下町の金山。彼らは歩き出した。
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