陣「…それにしても、どれも見事なデキの氷塊だ。
はしが欠けている等の粗悪品がなく、すべて
美しい四角柱の氷…、…ん?」
トンネル内に置かれている氷ブロックを鑑賞中の陣。
そのとき、彼はあるものに気がついた。
きれいな氷ブロックならぶこのトンネルのかたすみに
ひとつ、作成途中かと思えるようなものが…
陣「…上部分が大きく欠けている氷ブロックだな。
まさに作成途中、と言ったところか…。」
そして彼、まさかと思い周りを見回した。
作成中のブロックがある、ということは
氷塊を置きまくった犯人がこのあたりにいる事を示すサイン。
彼はそう判断したわけですな
陣「…犯人は俺の足音に気づき、作成中の氷塊を
ほったらかして身を隠した。
…ふん、我ながら見事な推理だな。」
???「けっこうな洞察力…。お姉さん、驚いちゃったワ。
…でもどんなヤツが来るのかと思ったけど、あんがい
撃破が簡単そうな敵だべや。ちょろいちょろい。」
物陰から青髪の女性がひょこっと顔を出す。
そして床を滑りながら、陣にずんずんと近づいてきた
???「お姉さん、知っちゃってるワ、あなたの事。
あなたの名前は陣…、私のお姉ちゃんに負けて
下水道に放り込まれたというあの人だべや。」
陣「…ふん、俺は貴様を知らない。だがしかし、
なぜか名前だけなんとなく分かるような気がする…。」
???「むむぅ?」
陣「…その体をみればだいたいの予想はつく。
もしかして貴様、八ツ葉の妹とかそんなあたりか?
…おそらく名前は、"六ツ葉"か"四葉"かそんな感じだろう…。」
六ツ葉「さっすが主人公!お姉さん、感動しちゃったワ。
むっふっふ、おとくいの"主人公の勘"ってヤツ?それ。
…いかにも私の名前は六ツ葉。八ツ葉の妹だべや。」
陣「…まぁ俺は主人公だからな。なんでも分かる…。」
六ツ葉「いやー、本当は"GFナンバーズがひとり…、六ツ葉!"
とか言って自己紹介したかったべや。
お姉さん、デバナをくじかれちゃったワ。残念。
…名前あてられたらこの自己紹介文句つかいようがねぇべや。」
陣「…GFナンバーズの一人か。だいたいの身分は分かったな…。
よし、世間話はこれで終わりとしよう…。」
彼はサーベルを取り出した
六ツ葉「ちょっとお待ちいただきたい。まだ勝負に入るのは
早いべや。お姉さん、まだ言っちゃってないワ。
"どうしてここに氷塊をばらまいているのか"っていう
その理由を!悪役なんだからそこらへんの説明は
しっかりとおきたいべや、お姉さん的には。」
陣「…それならだいたい分かる。どうせただの運行妨害だ…。
ラインハル跡地の大穴を塞ぐ作業を遅らせるため、
貴様はこうしてこの輸送機関にイタズラをしている。…違うか?」
六ツ葉「うう、さすが主人公…。
用意していた自己紹介文句もつかえなかったし、
理由の説明まであなたにもってかれたべや。
…お姉さん、怒っちゃったワ。」
陣「…ふん、好きなだけ怒ればいい。だが気をつけることだ、
過度な憤怒は自分の負けにつながる…。
…まぁ俺は紳士だ。貴様の怒りがおさまってから勝負を
はじめるとしようか?今のまま勝負に入ると貴様の不利だぞ…。」
六ツ葉「変態紳士の気づかいなんかいるかボケッ!
さっさと始めるぞ!うがー!」
サポートページへ移動する。