中間ストーリー


 ヤモチャカミは、弱々しい雄たけびをあげながら
 火口へと真っ逆さまに落ちていった

ザトシ「…よぉーし、勝った。」

 バシャァーーン!!(ヤモチャカミがマグマへ入った時の水しぶき

グラーダ「すごい!本当に見事な勝利だよ!」
     ほら、見てよ!流れていく溶岩がだんだん固まっていくよ!」

 大火山から流れ出ていた溶岩が冷え固まっていき、やがて流れは止まった

ザトシ「うぉ、すげぇ。溶岩の流れが止まったぜ。
    …にしても、ヴェルモンドの守り神をこんなに
    ボッコボコにして良かったのか?」

グラーダ「まぁ、いつか、たたりが来ちゃうかも。
     火口へ真っ逆さまに落としちゃったんだもんね。」

ザトシ「…うぉい、怖い事言うなよ。本当にたたりが来たらどうするんだよ!」

----------------- 悪魔城 展望台 ------------------

ルノン「すごいぃ!!あんな巨大な怪物を火口へ
    真っ逆さまに!ザトシってすごいね!」

サモン「おいルノン。喜んでいる場合か。また奴のせいで
    計画は失敗に終わったんだぞ…。」

シャーバ「あれぇ?あいつ倒しちゃったのけぇー?」

クエイク「…でも、ヴェルモンド一番の低地である城下町は
     溶岩地獄になっているよ。今は冷え固まった溶岩で
     何千人もの人が生き埋めだ…!」

リッド「…まぁちょっと可哀そうな気がするけどな。」

サモン「ナイスだ。城下町はヴァンパイアキラーの半数が集う町、
    養成所もある。これはヴェルモンド国の大きな戦力ダウンだ。

 その時、大急ぎで階段を上がる音がし、展望台へ誰かが入ってきた

ザコ隊長A「ルノン様!!」

ルノン「…何?」

ザコ隊長A「…大火山の溶岩で、悪魔城の4分の3の兵士が犠牲に…。」

ルノン「え!?なんで!?」

サモン「…おい、説明しろ。なぜだ?ずっと兵士達は全員控え室にいたはずだ。
    溶岩の被害を受ける可能性はゼロだ。」

ザコ隊長A「…実は、"そろそろ城下町を攻め落とすらしい"という嘘の噂が
      広まっていたらしくて、それで早とちりした兵士達はもう城下町
      へ行ってしまったのです。そして、他の兵士達も釣られて、
      城下町へ出発…。」

クエイク「そして城下町に行っていた兵士達は、溶岩に飲まれ、全員死亡って事だよね?」

ザコ隊長A「その通りです…。」

サモン「…もういい。下がっておけ。」

ザコ隊長A「了解しました…。」


シャーバ「すげー戦力ダウンけぇーな。」

ルノン「ごめんなさい。私の兵士への指導がしっかりしていなかったばっかりに…。」

リッド「…もうやめだ。」

クエイク「はい?やめって何を?」

リッド「ヴェルモンド侵攻をだよ!」

サモン「お前は何を言っているんだ…?」

リッド「仲間でこんなに死者が出てんだぜ!?なのにまだ続けるってかぁ!?」

サモン「…兵士を仲間だと?甘い考えだ。俺はまだ続けるつもりだがな…。」

シャーバ「俺達はジュニア様達の意志を受け継いだんだけぇーな。
     ヴェルモンド侵攻は俺もやめる気は無いけぇー。」

クエイク「もちろん僕もだよ。これからが面白そうなのに。」

リッド「勝手にしてろ…。また同じ事を繰り返すだけだ…。
    いつかは兵士がゼロになって、攻め込むどころじゃなくなるぜ?
    とにかく、俺はヴェルモンド侵攻活動から抜ける。」

ルノン「…確かに、これ以上の多くの犠牲はいやだよね…。こんなに
    どどっと兵士を失ったのに、まだ同じ事を続けるの?
    とにかく私も侵攻活動から抜ける…。」


サモン「…そうか、好きにするがいい。今は無きジュニア様や昔の権力者の
    ために3人で頑張ろうか…。」

シャーバ「へへ、ますますやる気がわいてきたけぇーの。」

クエイク「僕もそれなりに頑張らしていただくよ。」


ルノン「…ふぅ、なんだか気が重いね。…散歩にでも行ってくるよー。」

 そして、ルノンは展望台から出て行った

----------------- ???の本拠地 ------------------
???「私達も、もうそろ動いたほうがいいんじゃないの…?…悪魔城を潰しましょう。」

ジョーカー「すぐには潰せないでしょう。伯爵家にある男が帰ってきたのをご存知ですか?」

???「あの男…?誰なの?」

ジョーカー「サモンです。奴は岩山の奥地で生活をしていましたが、リッドに
      呼び戻され、悪魔城へと帰ってきたという次第でございます。
      …彼がいる以上、油断はできません。
      何か、伯爵家の弱みを握るような事があればいいのですが…。
      例えば、"人質を捕る"の様な感じで…。」

???「…まだしないのね。…今はゆっくりと待ちましょう。いつかチャンスが来るまで。」

BGM:VGMusic
曲名:別館-”静かな狂気”(悪魔城ドラキュラ黙示録)