BGM:nerve(雑音空間)
曲名:Mixture #1 "intrigue against me"
nerve(雑音空間)

エンディング3~新帝国~

* * * * * * * * * * * * * * * *

~~ブラック=グレイヴ・Immortal Army本部~~


ブラック=グレイヴ平原・・・
"黒き墓"を意味する名称を持つこの平原では、少し前に何万人もの人間が死んだ。
・・・ダークラギアスの襲撃によって。

そして誰も近寄らなくなったこの地を・・・I・Aが占領したのだ。



トリトン「遂にこの日が来たか・・・ww」


マゼンタ「静かに。皇帝様がいらっしゃったよ。」


ブライアン「・・・・・・」


シルバー「敬礼!」


20万の兵士が一斉に敬礼をする。


???「クックック・・・いつ見ても素晴らしいな、この軍はww」


そう言いながら現れた彼こそ初代皇帝・・・ダリウスであった。


リゲル「我等I・Aは、今日から皇帝である貴方に忠誠を誓います。」


ダリウス「よろしいww
     これから私の為に戦うがいい。」


ブライアン(まさかあの愚者が皇帝になるとはな。想定外であった・・・)


ダリウス「さて、最初の命令を出す。
     我等は総力を挙げて十二使徒の機械軍を潰さねばならん。
     その時に邪魔になるのが・・・防衛軍だ。」


リゲル「防衛軍・・・」


トリトン「あいつらのことかww」


シャドー「まあ潰すのは容易いだろうな。」


ダリウス「その通り。防衛軍は弱勢だ。
     奴等の軍が所有する地はタートルプレーンズ基地とグレイテンプルのみ。
     そこで・・・その2箇所の基地に総攻撃を加える。」


シルバー「久しぶりに楽しめそうだなww」


エミー「そうねww」


ダリウス「異存は無いか?」


その時・・・


ブライアン「その案には賛成できませんな。」


ダリウス「何だと!?」


兵士達「ザワザワザワザワ」


驚かない者は一人としていなかった。


シャドー「馬鹿め、何を言い出すんだ・・・!」


トリトン「さては怖気づいたのかww」


隻眼の男はそれらの言葉を無視して続けた。


ブライアン「まず申し上げましょう。
     あの軍は人数こそ少ないが、優秀な人材が揃っています。
     ・・・滅ぼすことは可能ですがかなりの犠牲を伴うでしょう。」


兵士達「ザワザワザワザワ」


リゲル「・・・貴様!
   戦いの前に士気を落とすなど・・・もってのほかだ!!」


ブライアン「話を最後まで聞け。」


リゲル「・・・・・・(怒」


ブライアン「十二使徒との戦いの前に犠牲を払うべきではありません。
     そこで・・・」


ダリウス「・・・」


ブライアン「連中を無条件降伏させるのが最上策かと。」


兵士達「ザワザワザワザワ」


シルバー「成程・・・」


ブライアン「そうすればこの軍は損害を被る事は無いでしょう。
     さらに、上手くいけば・・・
     彼らの戦力を吸収することが可能ですww」


ダリウス「つまり連中を説得して、I・Aに加えると・・・」


エミー「流石ブライアンねww」


マゼンタ「でも・・・もし仲間にならなかったら?」


ブライアン「I・Aの奴隷として扱うまでだww」


トリトン「それ以前の問題として・・・
    連中が降伏しなかったらどうする?」


ブライアン「・・・それは有り得んww
     見よ、この軍を・・・」


彼は整列した20万の兵士達を指差す。


ブライアン「防衛軍の奴等は無駄な争いを好まない。
     よって力の差が分かれば降伏するであろうww」


ダリウス「・・・よろしい!」


皇帝は喜色を表した。


ダリウス「その方針で行くとしよう。
     ではブライアン、君はシャドー、マゼンタ、
     そしてエミー等と共にグレイテンプルへ赴け。
     防衛軍基地にはトリトン達を遣わすだろう。」


ブライアン「では7万5000の兵を貸してください。
     必ず成功させて見せましょうww」


トリトン「お前はさっき、防衛軍は必ず降伏すると言ったな。
    だが、万が一のときを考えたほうがいい・・・」


ブライアン「分かっている。奴等が反抗したら・・・
     殺すまでだww」


黒き軍帽を被った兵士達は次々と飛行艇に乗り込んでいった。

数十分後、飛行艇はブラック=グレイヴを発った。

防衛軍を降伏させるべく・・・




それと同時に、ブライアンの計画は始まったのである。


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数時間後・・・

~~防衛軍基地~~


既に夜は明けていた。
・・・だが基地周辺だけは寂としている。


兵士1「妙に静かだなぁ。」


兵士2「偉大な人が死んだ後だからな・・・」


兵士1「・・・待て?何だこの音は?」


兵士2「うわっ!!」


突然、途轍もない数の飛行艇が飛来したのだ。


兵士1「何かやばいぞ・・・」


兵士2「とりあえずグレッグさんに報告だ!!」


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~~その頃のグレッグ・カルロス~~


カルロス(正男の死で士気が大いに下がっている・・・
    何とかせねば・・・)


グレッグ「どうした?」


カルロス「いえ、別に・・・」


その時・・・


兵士2「報告です!
   先程、多数の不審な飛行艇が飛来しました・・・」


カルロス「飛行艇だと?防衛軍のものではないのか?」


兵士2「違う模様です。
   ・・・4基のエンジンを搭載した黒い飛行艇で、
   確か機体にI・Aという二文字が・・・」



その言葉を聞くや否や、グレッグは机を拳で叩いた。


グレッグ「・・・まずい!
    奴等はこの機会を狙って防衛軍に攻撃を仕掛ける気だ!!」


カルロス「何ですと!?」


グレッグ「至急、幹部を召集しろ。
    ・・・緊急会議を行う。」


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~~その頃のI・A~~


キィィィィィィィン・・・ガシャン(飛行艇着陸音


シュゥゥゥゥゥゥゥ・・・


搭乗ハッチが開き、そこからトリトン、シルバー、リゲルが現れた。


リゲル「フッフッフww」


トリトン「防衛軍基地はおよそ2km先だ。
    準備ができ次第、基地を包囲せよ。」


兵士達「イェス・サー。」


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~~会議室~~


冷華「どうしたんだろう・・・こんな時に召集が掛かるなんて。」


ザトシ「嫌な予感がするぜ・・・」


グレッグ「諸君、聞いてくれ。
    ・・・実はさっき、不審戦艦を見たという報告が入った。」


紅鳳「不審な戦艦・・・もしやI・Aのものですか?」


カルロス「その通りだ。何故分かった?」


紅鳳「さっき私も見ました・・・」


グレッグ「さらに詳しい報告によると、飛行艇はおよそ35隻。
    ・・・飛行艇の大きさから考えると、I・Aの兵員はおよそ・・・
    7万名だ。」


レグルス「ここの兵力は・・・?」


グレッグ「およそ5000だ・・・」


カストル「マズいな・・・;;」


グレッグ「さて、どうするべきか・・・
    意見を聞かせてくれ。」


・・・誰も答えない。


グレッグ「・・・・・」


カルロス「待ってください・・・
    I・Aはもしかしたらここを狙っているのではないのかもしれませんよ。」


グレッグ「・・・それはない。
    先程の兵士の証言によると、飛行艇は低空を飛んでいたとの事だ。
    即ち、この付近に着陸する可能性が高いと言う事だ。
    ・・・この辺りでI・Aに攻撃される恐れがあるのはどこだか分かるか?」


カルロス「・・・・・・」


グレッグ「・・・ここだ。」


兵士1「報告!
  防衛軍基地周辺をおよそ7万の軍勢が取り囲んでおります!」


グレッグ「・・・もう会議をする時間も無いようだ。
    全戦力を率いて基地から出るぞ。」


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~~数分後・基地の外にて~~


トリトン「包囲は完了したか?」


兵士1「はい。手抜かりはありません。」


トリトン「よかろうww
    ・・・お?」


彼は見た。
基地から次々と現れるおよそ5000の兵士を。


トリトン「さては、早くも降伏しに来たかww」


兵士1「防衛軍の一人が何か喋っていますが。」


トリトン「分かった。俺が行くとしよう。」


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~~その頃の防衛軍~~


カルロス「I・Aの隊長は居るか!一つ質問がある!(大声で呼ばわる」


そこへ・・・トリトンが現れた。


トリトン「俺が隊長だ!質問とは何だ!(怒鳴り返す」


カルロス「貴様等の軍は何をしにやって来た?」


トリトン「・・・防衛軍を降伏させ、I・Aの配下に加える為だww」


防衛軍の兵士の間にざわめきが起こる。


カルロス「誰が・・・誰が降伏などするものか!」


トリトン「そのような場合はどうなるか・・・分かっているだろうな?」


トリトンが合図をする。
すると彼の後ろの軍勢が攻撃態勢に入った。


カルロス「ぐ・・・」


グレッグ「・・・・・・」


シルバー「降伏するのかしないのかはっきりしろ!!」





防衛軍は決断を迫られた・・・
当然どちらを選んでも利は無い。





真利夫「どうすべきか・・・」


グレッグ「・・・・・・」


ザトシ「グレッグさん!
   降伏なんかしたらどうなるか・・・」


トリトン「大丈夫だ。良い待遇を約束しようww」


グレッグ「仕方が無い・・・


    
    ・・・降伏しよう。」


真利夫「なっ!?」


兵士達「ザワザワザワザワ」


カルロス「大佐!諦めるのはまだ早いです!
    俺の手勢で奴等を打ち破って見せます!」


グレッグ「やめろカルロス!
     今歯向かったらそれこそ全滅だぞ・・・
     その程度のことが分からなくてどうする!」


カルロス「・・・・・・」


グレッグ「無駄に部下の命を失わせるべきではない。
    だから俺は降伏を選んだのだ・・・」


トリトン「・・・フッww」


リゲル「ブライアンの予想は当たっていたぞ・・・ww」


グレッグ「・・・だが、この命令は絶対ではない。
    
    降伏したくない者はしなくてもいいぞ・・・」


そう言うと、グレッグは彼の手持ちの勢と共にI・Aの軍勢に捕縛された。


冷華「そんな・・・グレッグさん・・・」


真利夫「済まないが・・・俺はグレッグ大佐について行こう。」


ザトシ「真利夫さん!」


真利夫「心配するな・・・必ず機をうかがい、防衛軍を復活させてみせよう。」


紅鳳「待ってください!」


真利夫「!?」


紅鳳「俺は連中に降伏する気などありません。
  ですが・・・和美は戦いに巻き込ませたくない。
  そこで彼女も一緒に連れて行ってくれませんか?」


和美「でも・・・」


紅鳳「お前が死んだら龍飛が悲しむだろ・・・
  ・・・I・Aに降伏すれば死ななくて済む。
  必ず助けに行くからそれまで待っていてくれ。」


和美「・・・・・・」


トリトン「あいつらを連れて行け。」


カストル「真利夫少佐、私もついて行きましょう。」


フォン「私も同行させてください。」


真利夫「よかろう・・・」


そう言うと彼らとその勢もI・Aの軍勢のほうへ進んでいった。


ザトシ「真利夫さん達まで・・・」


カルロス「・・・ああ、奴等は愚かだ!
    良い待遇という言葉に釣られたか!」


ザトシ「カルロス少佐・・・」


カルロス「・・・見てろ、今に俺が中心となって新防衛軍を結成してやる!
    そして裏切った奴等を叩き潰す!」



彼の言葉には、上司グレッグに対する叛意が表れていた・・・


この時・・・正男がいたらカルロスを叱咤したろう・・・
けれど今彼を責める者はいなかった。


カルロス「レグルス、俺についてきてくれるな?」


レグルス「初めからその気です。」


カルロス「よし・・・(辺りを見回す

    ・・・あの戦車部隊付近の囲みが甘いなww

    兵士達!あそこを突破せよ!」


兵士達「・・・・・・」


カルロス「どうした!何故黙っている!」


・・・理由は簡単であった。
カルロスが突破しようとしているところは
捕縛される可能性こそ少ないものの・・・


戦車の砲撃の的と化す可能性が高かったのである。


兵士1「無理ですな・・・通り抜ける前に蜂の巣にされそうです。
   ここは耐え忍んで、一時降伏すべきかと。」


カルロス「何を言う・・・貴様!」


彼は怒りのあまり・・・その兵士に向かって・・・



発砲した・・・



冷華「!!」


ザトシ「何ということを・・・!」


紅鳳「罪の無い兵士ですぞ?発砲したのは何のためですか!?」


カルロス「・・・こいつは逆賊だ。
    俺の意見に反対してI・Aに降ろうとした!」


彼は焦っていた。


兵士1「グ・・・(逝」


紅鳳「・・・死んだ。」


カルロス「いいかお前ら!(兵士達に怒鳴る
    俺に逆らうと・・・こうなるぞ!」


彼は死んだ兵士を指差す。
残ったカルロスの兵士達は戦慄を覚えた。


カルロス「進め!」


兵士達は・・・彼の言うことを聞くしかなかった。


トリトン「何だあの部隊は・・・」


シルバー「おっと・・・攻撃してくるぞ。」


トリトン「馬鹿な奴等だ・・・
    B-63戦車部隊、砲撃開始!!」


するとカルロスの軍に砲弾の雨が降り注いだ。


カルロス「うらぁぁぁぁぁぁぁ!!」


カルロス軍は必死の猛攻を続ける。


リゲル「まずい!囲みが破られそうだ!」


トリトン「ぐ・・・
    仕方が無い。北側を守っている隊を呼べ!」


シルバー「了解した。」


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~~その頃のザトシ達~~


今や、基地にいるのはザトシと冷華、紅鳳、そしてわずか100名の兵士達だけであった。


ザトシ「俺達はどうしようか・・・」


紅鳳「下手すると死ぬぞ。その前に降伏すべきだ。」


冷華「・・・待って。
  北の出口を見て・・・I・A兵士が数十人しかいないよ!」


ザトシ「・・・本当だ!だが何故・・・?」


紅鳳「気にするな。とにかくあそこを突っ切るぞ!」


彼らは北側の出口へ向かった。
そして無駄に血を流さず、囲いを突破した。
つまり・・・脱出に成功したのである。


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~~その頃のカルロス軍~~


カルロス「ぐ・・・くッ・・・」


彼らはやっとの思いで包囲を突破した。
しかし付き従っていたのは・・・レグルスと、そのほか数名の兵士達だけであった。


レグルス(これほどまでの損害を被るなんて・・・)


カルロス「奴等が追って来る前に町に逃げ込むぞ!」


レグルス「イェス・サー・・・」


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~~その頃の防衛軍基地~~


トリトン「反乱部隊にも大打撃を与えた・・・これで任務完了だなww
    リゲルとシルバー、お前らは捕虜を本部まで連れて行け。
    あの戦艦を使っていいぞ。」


リゲル「分かった。お前はどうするんだ?」


トリトン「俺はこの基地を管理しよう。」


シルバー「頼んだぞ。」


かくして、防衛軍基地はI・Aに完全占領されてしまったのである。
その頃・・・グレイテンプルにもI・Aの飛行艇が近づいていた。

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~~グレイテンプル・門前~~


兵士1「防衛軍はどうなっちまうんだろう・・・」


兵士2「正男少佐の死でまとまりがなくなってきてるような気がする。
   このままでは内部分裂を引き起こしかねないな。」


キィィィィィィィィン


兵士1「ん?この音は・・・?」


兵士2「飛行艇だ!!」


ゴォォォォォォォォォ


兵士1「とりあえず連絡しに行くぞ!!」

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~~その頃の龍飛~~


龍飛「正男・・・何故逝った・・・」


兵士2「大変です、龍飛少佐!」


龍飛「どうした?」


兵士1「先程不審な飛行艇が多数飛来しました。
   ・・・恐らくI・Aのものでしょう。」


龍飛「何だと・・・?」


兵士2「I・Aの二文字が描かれていましたので・・・」


龍飛「まさか・・・奴等が何故!?」


兵士1「どうなさいますか?」


龍飛「いや、俺が勝手に決めるわけにはいかない。
  とりあえずタートルプレーンズのグレッグ大佐に指示を仰ぐか。」


そう言うと龍飛は防衛軍基地との通信を始めた。
だが・・・



龍飛「繋がったぞ・・・ん・・・
  ・・・どういうことだ!?」


スクリーンに映し出されたのはグレッグ大佐ではなかった・・・
いや・・・防衛軍の誰でもなかったのである。


龍飛「貴様は誰だ!?」


トリトン「俺はI・Aに所属する、トリトンと言う者だww」


龍飛「I・A!?」


トリトン「左様。俺達は先程、この基地を占領したww」


龍飛「馬鹿な!グレッグ大佐達はどうした!?」


トリトン「誰かは知らんが・・・大多数の人間が降伏したぞww」


龍飛「まさか・・・」


トリトン「おっと、言い忘れてたが・・・
    今そちらにもI・Aの飛行艇が到着したはずだ。
    早いとこ降伏しときなww」


龍飛「何っ!?」


通信は途絶えた・・・


龍飛「これはまずいぞ・・・
  幹部を会議室に集めろ!」


兵士1「ハッ。」


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~~その頃のI・A~~


マゼンタ「ここがグレイテンプルかぁ。」


シャドー「古そうな建物だな。防衛軍はこんな所を基地にしていたのかww」


ブライアン「さて、準備が完了したようだ・・・
     ・・・グレイテンプルを包囲せよ。」


兵士達「おーっ!」


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~~その頃の会議室~~


会議室には浩二やハルバート、メグ、クリスなどが集まった。
龍飛は先程の出来事を話す。


浩二「何だって?・・・じゃあ防衛軍基地は占領されたと!?」


龍飛「そういうことだ・・・
  さらに今しがた、I・Aの戦艦の目撃情報が入った。
  ・・・ここも危ないぞ。」


メグ「えっ!?」


浩二「どうしようか・・・」


クリス「とりあえず逃げましょう。」


ハルバート「・・・いや、それは無理だ。



     俺達は既に包囲されている。」


龍飛「遅かったか!」


彼は窓から外を見る。
グレイテンプルの門前は既に何万もの兵士で埋め尽くされていた。


龍飛「・・・外に出よう。」


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~~グレイテンプル・門前~~


ブライアン(我が計画を成功させるためにはまず奴等を降伏させねばならん。
     その次は・・・)


シャドー「おい、見ろよブライアン!
    グレイテンプルから兵士が出てきたぞ・・・」


ブライアン「一応油断はするな。武器を構えろ。」


兵士達は各々の武器を構える。


シャドー「よし、俺が奴等を説得してみよう。」


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~~その頃の龍飛達~~


龍飛「・・・・・・」


和差夫「どうしよう・・・」


その時・・・一人の男が数人の兵士と共に歩み寄ってきた。


???「迷う必要は無い。潔く降伏しろ。」


ハルバート「・・・シャドー!」


シャドー「お前は確か・・・前に会ったな。」


ハルバート「ところで貴様らは何故ここに来た?」


シャドー「さっきも言ったろう。
     防衛軍を降伏させる為だww
     十二使徒との戦いの際に邪魔になるのでね・・・」


龍飛「・・・」


シャドー「もし叛けば・・・我が軍は攻撃を開始する。」


浩二「龍飛さん・・・」


龍飛「・・・致し方あるまい。」



彼は剣を捨てた。



シャドー「それでいいww
    兵士共、あいつらを連行しろ。」


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~~その頃のブライアン達~~


エミー「上手くいったかな・・・?」


ブライアン「・・・・・・」


マゼンタ「あ、来た来た。」


シャドー「よっしゃぁ!成功だぞ!」


グレイテンプルにいた防衛軍メンバーは・・・
一人残らず、降伏したのである。


マゼンタ「うわ・・・凄い数ね。」


ブライアン「任務は完了した。
     こいつらを本部まで連れて行け。
     一隻の飛行艇にはおよそ100人を乗せろ。」


シャドー「分かった。それでグレイテンプルはどうする?」


ブライアン「俺が管理しよう。」


マゼンタ「・・・それは駄目よ。」


ブライアン「何だと?」


エミー「皇帝様の命令で・・・
   奴にだけは管理させるなって。」


ブライアン「・・・・・・命令とあれば仕方が無い。
     俺は本部に帰還する。お前ら三人と数万人の兵士達でグレイテンプルを管理しろ。」


シャドー「了解した。」


ブライアン(思わぬところで計画が妨げられたな・・・
      まあいい。次の機会を待つか。)


彼は飛行艇の内の一隻に乗り込んだ。
その後に、I・A兵士に取り囲まれた防衛軍兵士100人が続いた。
この集団の中には・・・ハルバートの姿もあった。


やがて、全ての飛行艇が飛び立った。
グレイテンプルにて靡く軍旗は全てI・Aのものである。


・・・こうして、防衛軍は滅びた。


* * * * * * * * * * * * * * * *

~~戦艦"ブラッド・メイス"・独房~~


この戦艦はブライアンが所持するもので、様々な改造がされていた。
その一つが囚人用の牢と・・・独房である。
ハルバートは防衛軍の幹部であるとみなされ、独房に閉じ込められてしまった。


ハルバート「・・・くそっ!」


彼は扉を蹴り飛ばす
・・・が、開くはずは無かった


ハルバート「ブライアンめ、覚えてろ・・・!」


その時・・・


ハルバート「ん?」


ガチャ


ハルバート「この音は・・・まさか!!」


彼は扉を押す。開くことを期待しながら・・・


バタン・・・


ハルバート「・・・よっしゃあ!!
     だが・・・一体誰が鍵を開けたんだろう。」


彼は疑問に思いながらも、この幸運を喜ばずにはいられなかった。


ハルバート「兵士達の牢は何処だろう・・・
     お、あそこか。」


兵士1「ハルバート軍曹!どうやって脱出されたのですか?」


ハルバート「誰かが鍵を開けてくれたんだ・・・」


兵士2「おかしいですな・・・
   独房に行くにはこの道を通らねばならないはず。」


兵士1「私達がこの牢の中から見かけたのは・・・
   I・Aの軍帽を被った隻眼の男だけです。」


ハルバート「・・・まさか!!」


いや、そんなことはあるまい。
彼はI・Aの重臣だ。こんなことをする筈は無いだろう・・・

ハルバートは疑いながらも、続けた。


ハルバート「考えられるのは・・・
      ブライアンしかいないぞ!?」


兵士2「どうもおかしいですな。彼は敵のはず・・・」


ハルバート「もしかすると・・・!」


兵士1「それより、あそこのエリア27には脱出用ポッドがあります!
   早くそれに乗って脱出してください!」


ハルバート「何っ!?それは誰から聞いた?」


兵士2「実は・・・」


~~~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~~~


兵士2「ん?誰かが喋ってる・・・」


???「戦闘機の整備は完了したか?」


I・A兵士「はい。いつでも飛行できる状態です。」


???「ところで・・・囚人達は逃げてはおるまいな。」


I・A兵士「それは分かりません。」


???「では俺が確認しておこう。
  お前は念のために、エリア27の脱出ポッドの数を数えておけ。
  減っていたら囚人が逃げたということになる。そのときは俺に報告せよ。」


I・A兵士「イェス・サー。」


???「頼んだぞ。」



兵士1「脱出用ポッドか・・・」


兵士2「静かに!話してた男が来るぞ!」


~~~~~~~~~~回想終了~~~~~~~~~~


兵士1「・・・ということです」


これではまるで、奴が俺を逃がそうとしているみたいだ・・・
ハルバートは驚きを隠せなかった。


ハルバート「ブライアン・・・奴は一体何を考えているんだ!?」


兵士2「とりあえずお逃げください!
   私達のことは心配しなくても結構です。」


ハルバート「ありがとう。必ず助けに行くぞ。」


そう言うと彼はエリア27に向かった。
そこには兵士の言った通り、脱出ポッドがあったのである。


ハルバート「よし。これで脱出できる・・・」


彼は脱出ポッドに乗り込み・・・ボタンを押した。
その直後・・・ポッドは戦艦を離れた。


彼は脱出に成功したのである。


* * * * * * * * * * * * * * * *

~~戦艦"ブラッド・メイス"・コクピット~~


I・A兵士1「報告!レーダーに脱出ポッドが写っております。」


ブライアン「恐らく誤射だろう。生命反応が無い・・・
     放って置くがいい。」


I・A兵士1「イェス・サー。」


勿論、生命反応が無いというのは嘘である。
だが誰もそれを看破し得なかった。


* * * * * * * * * * * * * * * *

~~その頃のI・A本部~~


I・A兵士1「報告!シルバー様・リゲル様率いる軍勢が到着しました!」


ダリウス「そうか・・・フッフッフww」


その時・・・


シルバー「ただいま帰還いたしました。」


リゲル「作戦は成功です!」


ダリウス「よくやった!」


シルバー「さっきブライアンからも連絡がありました。
    どうやらグレイテンプルにいる防衛軍も降伏したようですww」


ダリウス「そうか・・・ww
    これで十二使徒との戦いを邪魔する者はいなくなったぞww」


皇帝はタートルプレーンズの方面を指差す。


ダリウス「あの地にもう我が軍の敵は居ない。
    そこでだ、タートルプレーンズ付近に帝国を建てようと思うのだが。」


リゲル「いよいよ帝国建立ですか・・・」


シルバー「タートルプレーンズはサンフェリア共和国の領土のはず。
    政府が反対するかと思われますが・・・」


ダリウス「・・・既に手は打ってある。
    奴等をここへ。」


すると兵士達が、捕縛された男達を連れてきた。


リゲル「・・・こいつ等はまさしくサンフェリア共和国の首相および政府の奴等だ!」


首相「ガクブル((( ゜д゜)))ガクブル」


ダリウス「今から我が軍は貴様らの共和国を攻め滅ぼそうと思うのだが・・・ww」


首相「ガクブルガクブルガクブル((((((((( ゜д゜)))))))))ガクブルガクブルガクブルガクブル」


ダリウス「ただし・・・
    貴様等がこの私に政権を譲るのならば
    共和国は滅びなくて済み・・・



    帝国へと生まれ変わる!」


首相「・・・・・・」


ダリウス「さてどうする?
    ・・・勿論譲らねばお前達の首も飛ぶがな。
    しかし譲れば・・・良い待遇を約束しようww」


首相「・・・分かりました。政権を譲ります。」





この一言で・・・
タートルプレーンズ・サンフェリアプレーリーがI・Aの領土と化したのである。




ダリウス「よくぞ言ったww
    さて、こいつらを・・・殺せww」


首相「エェッ!?」


リゲル「悪く思うなよww」


ザシュッ・・・ザシュッ・・・ザシュッ


リゲル「全員始末しましたww」


ダリウス「フッ・・・では発表しよう。
    今からサンフェリア共和国はI・Aの支配下に置かれる・・・


    そして国名を・・・I・G・E(Immortal God Empire)
        即ち・・・"不滅の神帝国"と改める!」


兵士達「ワーーーワーーー」


ダリウス「勿論、神と崇められ、全ての権限を握るのは皇帝・・・
    ・・・つまり、私だ!」


兵士達「エンペラー・ダリウスに栄光あれ!!」


ダリウス「よろしいww
    ではサンフェリアプレーリー・タートルプレーンズの主要都市に
    一個大隊を派遣せよ。
    さらに民どもにはこう伝えるがいい・・・







    ここは皇帝ダリウスの領土であるとww」








・・・遂に帝国が建立された。

この後、I・G・Eは十二使徒軍との戦争を始めることになる・・・



戦争・・・その犠牲者の殆どは罪の無い国民である。

彼らは常に政治の"都合"に振り回され、冷酷な運命に弄ばれている。

軍民のように進んで戦争に参加するのでもなければ、政府に訴えて戦争をやめさせることもできず・・・

ただ彼らは、嘆くだけである。



しかし、忘れてはならない。

影があれば光がある、それと同じように

悪の裏には常に正義がある。

そして嘆く民を救わんとすべく、戦う・・・



散り散りになった防衛軍のメンバーはこの後どのような運命を辿るのか・・・

邪悪なる使徒は世界を滅ぼし得るのか・・・

新たなる帝国はどう動くのか・・・



時の流れはそれを知りながら、教えることはないのである。






長編3
Nightmare Wizards

THE END




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