BGM:Metal Gear Solid より"Enclosure"
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中間ストーリー11~悪魔~

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~~シーサイドシティ~~


アレックス「思っていたほどザコではないようだなww」


クリス「近距離攻撃が全く出来ない・・・!?」


アレックス「まあ、いい。いずれにせよ俺に遠く及ばないことに変わりは無い!
     スクリーミングバースト!!」


クリス「うっ・・・(避ける」


アレックス「隙が出来たな・・・
     グレート・イグニッション!!」


クリス「!?」


クリスは焦りながらも技を繰り出す。
アレックスはそれを難なく押しのけ、武器ごとクリスを弾き飛ばした!


クリス「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!(吹き飛ばされる」


ズザズザズザ・・・


クリス「痛っ・・・あれ?武器は!?」


アレックス「勝負はついたな。」


クリスはこのとき武器のある場所がどこか気がついた。
だが時既に遅く・・・
アレックスは足元にあったクリスの武器めがけて、炎を浴びせた!


クリス「あぁっ!!」


アレックス「通常の炎と俺が扱う炎の違いを教えてやる!」


鉄製の武器は炎を浴びせられて10秒も経たない内に溶けた。
最早、武器として使える様なシロモノではなくなってしまったのである。


クリス「そんな・・・」


アレックス「さて・・・お前から"抗う"という可能性が消えたところで・・・
     ・・・拷問タイムだなw」


クリス「・・・」


彼女は・・・グレイテンプルでの正男の臨終のことを思い出した。
死に際に彼は、クリスに"白光神剣"を譲ったのだが・・・


クリス(あの剣さえあれば・・・)


アレックス「さぁ・・・俺を楽しませろ!」


火炎放射器から炎が勢いよく噴き出る。
まさに・・・その時だった。


アレックス「・・・!?」


火炎放射器に剣が突き刺さっている。
それは紛れもない・・・白光神剣。


クリス「・・・どういうこと!?」


神剣は火炎放射器を離れ、クリスの手元まで飛来した。
・・・まるで生き物のように。


アレックス「馬鹿な・・・!!」


クリス(正男・・・)


アレックスは暫く唖然としていた・・・
が、やがてこう切り出した。


アレックス「たかが1つの剣ごときに火炎放射器を破壊されるとは・・・
     だがこれで面白みが増えた。
     俺が殺せないとなると・・・奴が殺すしかなくなるww」


クリス「・・・?」


アレックス「さて・・・奴の心の葛藤を見てみたいものだな。
     拷問からの開放と旧防衛軍の友情・・・いずれをとっても奴に利は無いがなw」


彼は意味深な言葉を残し、その場を去った。


クリス「どういうこと・・・なんだろう?」


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~~その頃の冷華~~


リリス「嘘・・・格段に強くなってる・・・」


冷華「攻撃の威力が弱まってる。
  無駄な魔力を使いすぎてるねw」


リリス「・・・」


リリスは力を使いきったのか、その場に跪いた。


冷華「残念だけど・・・ここで止めを刺すしかないわ。(槍を構える」


リリス「・・・いいよ。早くして。」


冷華「・・・え?」



リリスの口から出た言葉は意外なものだった。



リリス「殺してもいいよ・・・
   でもその前に言わなきゃいけないことがある。
   私が・・・最初に人を殺したのは・・・
   ・・・4年前。それもこの場所で。」


リリスは語り始めた。


リリス「その頃私はシーサイドシティにある中学校に通ってた。
   けど・・・足に障害があって・・・皆から虐めらてれたの。」


~~~~~~~~~~~~~~リリスの回想~~~~~~~~~~~~~~


1年間・・・私は今までで一番悲痛な時を送った。


生徒A「なにぃ、アンタってなんでいつもトロいわけ?リリー。」


リリー(後のリリス)「だって・・・だって・・・(泣」


生徒B「相変わらず・・・うざったいわね!」


バキッ(蹴る


リリー「あうっ!!」


生徒C「あれ?ポケットから財布が出てきたよwどうする?」


生徒B「もちろん・・・いっただき!(財布を拾い上げる」


リリー「・・・やめて!!」


生徒D「悔しかったら追いかけてみなよw」


生徒B「はやく離れない?これ以上話しかけると私達までクサるよw」


生徒達「アハハハハハハ・・・」


リリーの周りを取り囲んでいた女子達は走り去った。
男子達は助けもせず、この「見世物」を存分に満喫していた。


・・・そんな生活がずっと続いた。
しかし、1年で私は解放されることになる。
それも・・・予想外の形で。


~~1年後・ビューティフルレイク公園~~


今日は私の誕生日。でも祝ってくれる人はいない。
・・・昨日、両親が死んだ。


理由は分かる気がする。
私の両親は前に、裁判所に「いじめ」のことを訴えていた。
しかし私は学校ぐるみで虐められていたのか・・・
事情徴収の際、学校側は「いじめ」のことを真っ向から否定した。
そして皮肉なことに、証拠たる事実は一切見つからず、
遂に両親は・・・裁判で負けてしまった。

挙句の果てに。
私達は学校のイメージをダウンさせた邪魔者と罵られ、
学校側は莫大な慰謝料を請求した。

そして、昨日。
重い気持ちで学校から帰ってきた束の間・・・それは起こっていた。


家が炎に包まれている。


私は必死になって、両親の名を叫び続けた。
・・・周囲に野次馬達がやって来た。騒ぎはいつの間にか大きくなっていた。
心なしか私は、野次馬全員が自分をあざ笑っているように感じていた。


その時・・・


炎の中から父が飛び出してきた。
体中が黒くこげており、刃物を振り回しながら呻いていた。


父は、唖然としている野次馬を何人か刺した。


日頃溜めていた怒りが遂に暴発したのかもしれない。


リリー「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


父は不気味な声を上げた。次の瞬間・・・
皮膚が燃え、内臓が飛び出た。


リリー「・・・・・・!!」


父は・・・炎の中に戻っていった。


数分後、消防隊や警察が駆けつけ、炎が消された。
灰の下に埋もれた両親の変わり果てた姿を見た私は、無意識のうちにこの公園に来ていた。


私も死ねばいい。
そう思って・・・


しかし、私は座っているだけで何も出来なかった。
手に持っていたナイフで自分を刺す筈が、知らず知らずのうちに眠りに落ち・・・


・・・今日に至った。


リリー「・・・(刃を自分に向ける」


心の準備は出来た。・・・今日こそ死ねる。
だが・・・


「あれ?自殺するのぉ?」


リリー「・・・!?」


そこには、例の女子達が集まっていた


生徒A「どうしたの?私達のことは気にしなくていいからさ、
   早く死にな。」


その一言で・・・
堰を切ったように、怒りが湧き上がった。


リリー「・・・この悪魔め!!」


・・・激痛が走った。
気がつくと背中には・・・黒い翼が生えていた。


生徒B「・・・!?」


翼が自然と羽ばたき、私は空に舞い上がっていた。
・・・この自由が欲しかった。


リリー「死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!」


奴等は走って逃げようとした。でも断然私のほうが速い。
・・・自分を刺すはずのナイフで他人を刺した。
まあいいか、今までのことがあるわけだし。


このまま皆死ねばいい。



~~~~~~~~~~~~~~終了~~~~~~~~~~~~~~


冷華「・・・」


リリス「もう後には引けなくなってた・・・
   その後私はナイトメアと出会って、リリスっていう名前をもらったの。
   そして・・・」


冷華「十二使徒になった・・・のね・・・」


リリス「そう。
   ・・・でもあなたと戦ってて気がついた。
   悪魔は自分の方だったのね。」


リリスは笑っていた。悲しそうに。


冷華「リリス・・・」


そんなリリスを見ていた冷華は・・・涙が止まらなかった。


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~~その頃のザトシ~~


ザトシ「そろそろ見つかってもいいはずなんだがな・・・何の連絡も無い。」


その時・・・


ザトシ「・・・ん?なんだあの戦車。」


彼の目の前を、スコーピオンをはるかに凌ぐ大きさの戦車が通った。


ザトシ「なんか気になるな・・・
   ・・・尾行してみよう。」


ザトシは低速で移動している戦車に着いて行った。


~~数分後~~


ザトシ「ビューティフルレイク公園?ここに何かあるんだろうか・・・」


すると・・・
戦車は突然、速度を上げ始めた!!


ザトシ「・・・!!」


彼は走り出す。が、戦車には追いつけない。
見る見るうちに引き離されていく。


ザトシ「くそっ・・・
   だがこの道は一直線だ。とりあえず進めばいいだろう・・・」


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~~その頃の冷華~~


冷華「リリス・・・貴女って・・・」


リリス「私って・・・悪者だよね?」


冷華「・・・違う。
  確かに表では犯罪者として罵られるだろうけど・・・
  私は・・・偉いなって思うよ。
  今までよく頑張ったね・・・」


リリスの肩が動いた。冷華は思わず身構える。
・・・しかし・・・リリスは攻撃してこなかった。
彼女は泣いていた。


冷華「・・・・・・」


リリス「うぅ・・・ぅ・・・」


冷華はいつの間にか槍を置いていた。


リリス「・・・ごめん。取り乱して。
   早くしてよ・・・おねがい・・・」


冷華「そんなこと・・・できないよ・・・」


リリス「・・・!!」


彼女は突然立ち上がり・・・冷華を突き飛ばした。


冷華「うわっ!!」


冷華はリリスが何のためにこうしたのか、すぐ気がついた。






ズダダダダダダダダダッ!!






銃声が轟き、リリスは倒れた。



冷華「リリス!!」



リリスを撃ったのは・・・ザトシが見かけた戦車。


通称、アザトホース。



リリス「くっ・・・!!(吐血」


「十二使徒一人を抹消完了・・・と。」


戦車はリリスの前で静止。フロントガラスが開き、コクピットがむき出しになった。
そこには眼帯を掛けた男が座っていた。


冷華「・・・(唖然とする」


リリス「私のことはいいから・・・早く逃げて・・・(吐血」


冷華「そんなこと、できないよ・・・(泣」


???「こいつも十二使徒の味方か・・・」


その時・・・
ザトシが追いついた。


ザトシ「これ・・・どういうことだよ?」


彼は全く状況が理解できていないようだった。
血を流して倒れているリリス、その隣でリリスの肩を揺さぶっている冷華。


ザトシ「冷華・・・(歩み寄る」


冷華は事の一部始終をザトシに語った。


ザトシ「そういうことなのか・・・

   ・・・おいっ!(隻眼の男を睨みつける」


???「・・・」


ザトシ「なぜリリスを撃った?
   彼女の苦痛も知らないくせに!」


???「・・・理由は簡単。十二使徒だからだw」


ザトシ「見てたんだろ?彼女の泣く姿を・・・
   なんで平気でこんなことできるんだよ・・・」


???「所詮、貴様が憐憫の情を抱いただけだろう?
   その程度で奴の罪が拭い去れると思ったか!(睨み返す」


ザトシ「こいつ・・・!!(戟を持って突進」


???「貴様のような人間に限って争いを好みたがるのか。
   ・・・実力の差を思い知れ。」


???は戦車をバックさせた。ザトシはそれを追いかける。
すると、???はコクピットから飛び降りた。


???「ゴッド・エナジー・ディスチャージ!!」


彼のライフルの銃口から強烈なエネルギー波が発射された!!


ザトシ「ぐっ!!」


ザトシは武器で波動を食い止めたが、その勢いで後ろに吹き飛ばされた。


???「・・・」


ザトシ「・・・どうやら一戦交えなければいけないらしいな!(立ち上がる
   冷華!逃げろ!こいつは俺がやる!!」


冷華「ありがとう・・・頼んだよ・・・」


彼女はリリスを支えながら、ザトシ達から離れた。


ザトシ「よし・・・かかって来いよ、隻眼!」


???「俺にはブライアンという名がある・・・
   気安く隻眼と呼ぶな。この片目を失ったのも虐殺者共のせいだ。」


ザトシ「今のは自分のための復讐ってわけか?」


ブライアン「違う。殺された人間達のための報復だ。
     どんな過去があろうと虐殺者は虐殺者。生きる権利などない。」


ザトシ「残酷な奴だ・・・俺はそんな歪んだ正義を許さない!!」


こうして戦いは始まった。
その頃・・・不運なことに、あの少年もこの地に来ようとしていた。