* * * * * * * * * * * * * * * * ~~シーサイドシティ~~ アレックス「思っていたほどザコではないようだなww」 クリス「近距離攻撃が全く出来ない・・・!?」 アレックス「まあ、いい。いずれにせよ俺に遠く及ばないことに変わりは無い! スクリーミングバースト!!」 クリス「うっ・・・(避ける」 アレックス「隙が出来たな・・・ グレート・イグニッション!!」 クリス「!?」 クリスは焦りながらも技を繰り出す。 アレックスはそれを難なく押しのけ、武器ごとクリスを弾き飛ばした! クリス「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!(吹き飛ばされる」 ズザズザズザ・・・ クリス「痛っ・・・あれ?武器は!?」 アレックス「勝負はついたな。」 クリスはこのとき武器のある場所がどこか気がついた。 だが時既に遅く・・・ アレックスは足元にあったクリスの武器めがけて、炎を浴びせた! クリス「あぁっ!!」 アレックス「通常の炎と俺が扱う炎の違いを教えてやる!」 鉄製の武器は炎を浴びせられて10秒も経たない内に溶けた。 最早、武器として使える様なシロモノではなくなってしまったのである。 クリス「そんな・・・」 アレックス「さて・・・お前から"抗う"という可能性が消えたところで・・・ ・・・拷問タイムだなw」 クリス「・・・」 彼女は・・・グレイテンプルでの正男の臨終のことを思い出した。 死に際に彼は、クリスに"白光神剣"を譲ったのだが・・・ クリス(あの剣さえあれば・・・) アレックス「さぁ・・・俺を楽しませろ!」 火炎放射器から炎が勢いよく噴き出る。 まさに・・・その時だった。 アレックス「・・・!?」 火炎放射器に剣が突き刺さっている。 それは紛れもない・・・白光神剣。 クリス「・・・どういうこと!?」 神剣は火炎放射器を離れ、クリスの手元まで飛来した。 ・・・まるで生き物のように。 アレックス「馬鹿な・・・!!」 クリス(正男・・・) アレックスは暫く唖然としていた・・・ が、やがてこう切り出した。 アレックス「たかが1つの剣ごときに火炎放射器を破壊されるとは・・・ だがこれで面白みが増えた。 俺が殺せないとなると・・・奴が殺すしかなくなるww」 クリス「・・・?」 アレックス「さて・・・奴の心の葛藤を見てみたいものだな。 拷問からの開放と旧防衛軍の友情・・・いずれをとっても奴に利は無いがなw」 彼は意味深な言葉を残し、その場を去った。 クリス「どういうこと・・・なんだろう?」 * * * * * * * * * * * * * * * * ~~その頃の冷華~~ リリス「嘘・・・格段に強くなってる・・・」 冷華「攻撃の威力が弱まってる。 無駄な魔力を使いすぎてるねw」 リリス「・・・」 リリスは力を使いきったのか、その場に跪いた。 冷華「残念だけど・・・ここで止めを刺すしかないわ。(槍を構える」 リリス「・・・いいよ。早くして。」 冷華「・・・え?」 リリスの口から出た言葉は意外なものだった。 リリス「殺してもいいよ・・・ でもその前に言わなきゃいけないことがある。 私が・・・最初に人を殺したのは・・・ ・・・4年前。それもこの場所で。」 リリスは語り始めた。 リリス「その頃私はシーサイドシティにある中学校に通ってた。 けど・・・足に障害があって・・・皆から虐めらてれたの。」 ~~~~~~~~~~~~~~リリスの回想~~~~~~~~~~~~~~ 1年間・・・私は今までで一番悲痛な時を送った。 生徒A「なにぃ、アンタってなんでいつもトロいわけ?リリー。」 リリー(後のリリス)「だって・・・だって・・・(泣」 生徒B「相変わらず・・・うざったいわね!」 バキッ(蹴る リリー「あうっ!!」 生徒C「あれ?ポケットから財布が出てきたよwどうする?」 生徒B「もちろん・・・いっただき!(財布を拾い上げる」 リリー「・・・やめて!!」 生徒D「悔しかったら追いかけてみなよw」 生徒B「はやく離れない?これ以上話しかけると私達までクサるよw」 生徒達「アハハハハハハ・・・」 リリーの周りを取り囲んでいた女子達は走り去った。 男子達は助けもせず、この「見世物」を存分に満喫していた。 ・・・そんな生活がずっと続いた。 しかし、1年で私は解放されることになる。 それも・・・予想外の形で。 ~~1年後・ビューティフルレイク公園~~ 今日は私の誕生日。でも祝ってくれる人はいない。 ・・・昨日、両親が死んだ。 理由は分かる気がする。 私の両親は前に、裁判所に「いじめ」のことを訴えていた。 しかし私は学校ぐるみで虐められていたのか・・・ 事情徴収の際、学校側は「いじめ」のことを真っ向から否定した。 そして皮肉なことに、証拠たる事実は一切見つからず、 遂に両親は・・・裁判で負けてしまった。 挙句の果てに。 私達は学校のイメージをダウンさせた邪魔者と罵られ、 学校側は莫大な慰謝料を請求した。 そして、昨日。 重い気持ちで学校から帰ってきた束の間・・・それは起こっていた。 家が炎に包まれている。 私は必死になって、両親の名を叫び続けた。 ・・・周囲に野次馬達がやって来た。騒ぎはいつの間にか大きくなっていた。 心なしか私は、野次馬全員が自分をあざ笑っているように感じていた。 その時・・・ 炎の中から父が飛び出してきた。 体中が黒くこげており、刃物を振り回しながら呻いていた。 父は、唖然としている野次馬を何人か刺した。 日頃溜めていた怒りが遂に暴発したのかもしれない。 リリー「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」 父は不気味な声を上げた。次の瞬間・・・ 皮膚が燃え、内臓が飛び出た。 リリー「・・・・・・!!」 父は・・・炎の中に戻っていった。 数分後、消防隊や警察が駆けつけ、炎が消された。 灰の下に埋もれた両親の変わり果てた姿を見た私は、無意識のうちにこの公園に来ていた。 私も死ねばいい。 そう思って・・・ しかし、私は座っているだけで何も出来なかった。 手に持っていたナイフで自分を刺す筈が、知らず知らずのうちに眠りに落ち・・・ ・・・今日に至った。 リリー「・・・(刃を自分に向ける」 心の準備は出来た。・・・今日こそ死ねる。 だが・・・ 「あれ?自殺するのぉ?」 リリー「・・・!?」 そこには、例の女子達が集まっていた 生徒A「どうしたの?私達のことは気にしなくていいからさ、 早く死にな。」 その一言で・・・ 堰を切ったように、怒りが湧き上がった。 リリー「・・・この悪魔め!!」 ・・・激痛が走った。 気がつくと背中には・・・黒い翼が生えていた。 生徒B「・・・!?」 翼が自然と羽ばたき、私は空に舞い上がっていた。 ・・・この自由が欲しかった。 リリー「死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!」 奴等は走って逃げようとした。でも断然私のほうが速い。 ・・・自分を刺すはずのナイフで他人を刺した。 まあいいか、今までのことがあるわけだし。 このまま皆死ねばいい。 ~~~~~~~~~~~~~~終了~~~~~~~~~~~~~~ 冷華「・・・」 リリス「もう後には引けなくなってた・・・ その後私はナイトメアと出会って、リリスっていう名前をもらったの。 そして・・・」 冷華「十二使徒になった・・・のね・・・」 リリス「そう。 ・・・でもあなたと戦ってて気がついた。 悪魔は自分の方だったのね。」 リリスは笑っていた。悲しそうに。 冷華「リリス・・・」 そんなリリスを見ていた冷華は・・・涙が止まらなかった。 * * * * * * * * * * * * * * * * ~~その頃のザトシ~~ ザトシ「そろそろ見つかってもいいはずなんだがな・・・何の連絡も無い。」 その時・・・ ザトシ「・・・ん?なんだあの戦車。」 彼の目の前を、スコーピオンをはるかに凌ぐ大きさの戦車が通った。 ザトシ「なんか気になるな・・・ ・・・尾行してみよう。」 ザトシは低速で移動している戦車に着いて行った。 ~~数分後~~ ザトシ「ビューティフルレイク公園?ここに何かあるんだろうか・・・」 すると・・・ 戦車は突然、速度を上げ始めた!! ザトシ「・・・!!」 彼は走り出す。が、戦車には追いつけない。 見る見るうちに引き離されていく。 ザトシ「くそっ・・・ だがこの道は一直線だ。とりあえず進めばいいだろう・・・」 * * * * * * * * * * * * * * * * ~~その頃の冷華~~ 冷華「リリス・・・貴女って・・・」 リリス「私って・・・悪者だよね?」 冷華「・・・違う。 確かに表では犯罪者として罵られるだろうけど・・・ 私は・・・偉いなって思うよ。 今までよく頑張ったね・・・」 リリスの肩が動いた。冷華は思わず身構える。 ・・・しかし・・・リリスは攻撃してこなかった。 彼女は泣いていた。 冷華「・・・・・・」 リリス「うぅ・・・ぅ・・・」 冷華はいつの間にか槍を置いていた。 リリス「・・・ごめん。取り乱して。 早くしてよ・・・おねがい・・・」 冷華「そんなこと・・・できないよ・・・」 リリス「・・・!!」 彼女は突然立ち上がり・・・冷華を突き飛ばした。 冷華「うわっ!!」 冷華はリリスが何のためにこうしたのか、すぐ気がついた。 ズダダダダダダダダダッ!! 銃声が轟き、リリスは倒れた。 冷華「リリス!!」 リリスを撃ったのは・・・ザトシが見かけた戦車。 通称、アザトホース。 リリス「くっ・・・!!(吐血」 「十二使徒一人を抹消完了・・・と。」 戦車はリリスの前で静止。フロントガラスが開き、コクピットがむき出しになった。 そこには眼帯を掛けた男が座っていた。 冷華「・・・(唖然とする」 リリス「私のことはいいから・・・早く逃げて・・・(吐血」 冷華「そんなこと、できないよ・・・(泣」 ???「こいつも十二使徒の味方か・・・」 その時・・・ ザトシが追いついた。 ザトシ「これ・・・どういうことだよ?」 彼は全く状況が理解できていないようだった。 血を流して倒れているリリス、その隣でリリスの肩を揺さぶっている冷華。 ザトシ「冷華・・・(歩み寄る」 冷華は事の一部始終をザトシに語った。 ザトシ「そういうことなのか・・・ ・・・おいっ!(隻眼の男を睨みつける」 ???「・・・」 ザトシ「なぜリリスを撃った? 彼女の苦痛も知らないくせに!」 ???「・・・理由は簡単。十二使徒だからだw」 ザトシ「見てたんだろ?彼女の泣く姿を・・・ なんで平気でこんなことできるんだよ・・・」 ???「所詮、貴様が憐憫の情を抱いただけだろう? その程度で奴の罪が拭い去れると思ったか!(睨み返す」 ザトシ「こいつ・・・!!(戟を持って突進」 ???「貴様のような人間に限って争いを好みたがるのか。 ・・・実力の差を思い知れ。」 ???は戦車をバックさせた。ザトシはそれを追いかける。 すると、???はコクピットから飛び降りた。 ???「ゴッド・エナジー・ディスチャージ!!」 彼のライフルの銃口から強烈なエネルギー波が発射された!! ザトシ「ぐっ!!」 ザトシは武器で波動を食い止めたが、その勢いで後ろに吹き飛ばされた。 ???「・・・」 ザトシ「・・・どうやら一戦交えなければいけないらしいな!(立ち上がる 冷華!逃げろ!こいつは俺がやる!!」 冷華「ありがとう・・・頼んだよ・・・」 彼女はリリスを支えながら、ザトシ達から離れた。 ザトシ「よし・・・かかって来いよ、隻眼!」 ???「俺にはブライアンという名がある・・・ 気安く隻眼と呼ぶな。この片目を失ったのも虐殺者共のせいだ。」 ザトシ「今のは自分のための復讐ってわけか?」 ブライアン「違う。殺された人間達のための報復だ。 どんな過去があろうと虐殺者は虐殺者。生きる権利などない。」 ザトシ「残酷な奴だ・・・俺はそんな歪んだ正義を許さない!!」 こうして戦いは始まった。 その頃・・・不運なことに、あの少年もこの地に来ようとしていた。