BGM:Metal Gear Solid 2 より"メインテーマ"
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中間ストーリー12~課題~

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~~シーサイドシティ・ビューティフルレイク公園~~


和差夫「流石・・・強いですね・・・」


ザトシ「お前こそ強くなったな・・・正男も喜ぶだろうよ。」


和差夫「・・・(俯く」


ザトシ「でもな、まだ戦うんだったら・・・」


和差夫「・・・うらぁぁぁぁぁぁぁっ!」


ザトシ「うっ!?」


ガキィィィィィィンッ!!


和差夫の剣の一閃で・・・ザトシの戟は地面に叩きつけられた。
それを拾おうとするザトシ。しかしその隙を突いて、和差夫はザトシの後ろに回りこみ、
ザトシの喉に刃を当てた。


ザトシ「そんな・・・馬鹿な・・・」


実のところ彼は、和差夫には負けはしないだろうと思って相手を軽んじていた。
それが隙を突かれ、一瞬にして敗北することになろうとは・・・
彼、いや和差夫も予測していなかったであろう失態だった。


ザトシ「・・・」


和差夫「貴方の負けです・・・」


・・・そうは言ったものの、和差夫はザトシにとどめを刺すことは出来なかった。
彼の手は今にも剣をとり落とすかのような勢いで震えていた・・・


ザトシ「どうした?早く止めを刺せよ・・・」


和差夫「・・・」


彼の脳裏を亡き兄の思い出がよぎる。


和差夫「無理だ・・・できない!」


ザトシ「和差夫・・・」


和差夫は無我夢中で、ザトシから逃げるように走った。
自分が恥ずかしくなったからだ・・・
己の身に加えられる拷問が嫌で、他人の、それも恩人の命を奪おうとした自分が。


・・・彼はそのまま、公園を去った。


ザトシ(よく言ったよ・・・和差夫。
   それでこそ正男に褒められるだろう・・・
   ただ・・・拷問のことが心配だな・・・)


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~~その頃の冷華~~


冷華は人気のない芝生の広場の上にリリスを寝かせた。


リリス「うぅ・・・っ・・・」


冷華「・・・大丈夫?」


彼女は薄々気づき始めていた。
・・・リリスはもう手遅れだと。
だが、それが確信に変わる前に・・・一縷の望みを託して聞いてみたのだった。


リリス「無理ね・・・
   仮に今・・・生き残ったとしても・・・
   ・・・ナイトメアが・・・私を許さない。
   貴方を・・・殺せなかった・・・から・・・(吐血」


冷華「・・・そんなの・・・嘘だよね?」


・・・ナイトメア。
その男の恐ろしさや残酷さをたった今、双方とも身に染みて感じた。


リリス「もう駄目・・・目が霞んできた・・・」


冷華「しっかりして・・・!」


リリス「変な気分・・・私の死を悲しんでくれる人間がいるなんて。
   ・・・・・・うれしい。本当に・・・
   ありがとう。」


冷華「・・・」


リリス「死ぬ前に言わなきゃいけないことが1つあるけど・・・
   ナイトメアを倒して。絶対に!」


冷華「うん・・・約束する。
  絶対にこの世の中を平和にしてみせるから・・・」


リリスは大きくため息をついた。


リリス「次、生まれてくるときは・・・
   幸運な人間になりたいな・・・」


彼女は最後の涙を流した・・・冷華もつられて涙ぐんだ。


・・・人の死は突然訪れる。
正体のわからない、何か巨大な力によって無作為に被害者が選ばれる。
その自然の決まりごとを人は運命とよんで、
抗えないものとして恐れながら生活を営んできた・・・

しかし。

時には、死よりも残酷な運命を辿らなければならない場合もある。
ごく稀に決定されてしまった犠牲者・・・それが十二使徒。
全員心に傷を持ち、蔑まれ、恐れられながら生きなければならなかった。

そんな彼らの内・・・正常な心を取り戻した人間にとって・・・
普通なら恐れられる筈の運命・・・「死」が、

救いになるのかもしれない・・・


冷華「リリス・・・!?」


・・・もう返事はない。


冷華「・・・」


その時・・・
リリスの背中の黒い羽が、消えた。


やっと普通の人間に戻れた・・・というリリスの声が聞こえてくるようだった。


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~~その頃の和差夫~~


和差夫「任務失敗・・・だな。
   リリスも防衛軍メンバーも倒せなかった・・・ハハハ・・・(苦笑」


「その通り。
罰として、本部で拷問を加えるとしよう。」


和差夫「・・・」


アレックスがビルの陰から姿を現した。


アレックス「大した戦果は挙げられなかったが・・・
     本部に帰還するのが楽しみだw」


和差夫(帝国軍を離れられるのは・・・何時になるだろう・・・)


彼らは兵士に囲まれながら、帝国軍戦艦の方へ向かった・・・


* * * * * * * * * * * * * * * *

~~その頃のブライアン~~


ブライアン(これで十二使徒も5人消えたか。
     だが今一番邪魔なのは帝国軍だな。どう処理すべきか・・・)


アサシン「お、ここにいたか。」


ブライアン「そっちの戦果はどうだ?」


アサシン「リリスはお前が倒したんだから俺が戦果を上げられるはずないだろw
    ところで、妙なことに気がついたのだが。」


ブライアン「妙なこと?
     さては、アレックスか・・・」


アサシン「そうだ。奴はここに来ることを命令されていないはず・・・」


ブライアン「許可なしで軍を出すとはな。皇帝に相当信頼されているのだろう。」


アサシン「そこが問題なんだな。
    やがて・・・皇帝は奴の意見に動かされるようになるかもしれないぞ?
    アレックスがどんな性格かは知っているよな?」


ブライアン「残虐非道の拷問狂・・・
     奴が皇帝をうまく利用することに成功すれば、
     十二使徒に次ぐ第二の殺戮組織ができる可能性も少なくはない。」


アサシン「それも、十二使徒よりも強大且つ厄介なものになるだろうな。
    ・・・アレックスは皇帝以上に危険な存在かもしれないな。」


ブライアン「・・・」


アサシン「お、皇帝からの通信だぞ。」


ピピピピッ


アサシン「モシモシ。ア、ダリウスサンジャナイデスカw キョウハドウシマシタ?
    ・・・・・・・・・・・・
    ・・・ハイ、ワカリマシタ。デハデハ。」


ピッ


ブライアン「内容は?」


アサシン「第二大隊、第五大隊は・・・
    新設された海上基地に行けとのことだ。」


ブライアン「聞いたこと無いな。」


アサシン「ここ、ブルーオーシャンの沖にあるらしい。
    まずはその関連基地にたどり着き、そこを経由して海上基地に向かえということだ。
    ちなみに関連基地はこの大陸とは離れていて、グレイテンプルの近くにあるらしい。」


ブライアン「遠いな・・・2万人の部隊を率いていけばかなりの時間がかかる。
     機甲部隊とはいえ、戦車に乗れるのはほんの一部の兵士だけだからな。
     それに歩兵部隊である第二大隊も行くとのことだからな・・・」


アサシン「まあそれはしょうがないだろ。
        ・・・ちょっとまった。じゃあ何でレッドマウンテンから一週間でここまで移動できたんだよw」


ブライアン「作者が適当に作ったからたまにそのような矛盾があるんだろうな。
     ・・・まあ、軍は初めからブルーオーシャンに到着していて、
     戦車部隊だけがレッドマウンテンに向かったということにしてやれ。」


管理人「OTL」


アサシン「そういえばお前・・・
    マーキュリーはどうしたw」


ブライアン「お前こそマーズはw」


マーキュリー&マーズ「OTL」


アサシン「ダガー5兄弟影薄すぎw
    マーズは出番が無いだけで一応いることはいるが、マーキュリーは消息不明だろw」


ブライアン「そうだな・・・連絡すら取れない状況だ。」


アサシン「あるぇー」


ブライアン「・・・まあいいだろう。例の基地とやらに向かうとしよう。
     座標を確認しておけ・・・」


アサシン「放って置くのかw
    ・・・まあ仕方ないな。全て管理人のせいだ。
    さあ、全中隊に命令を出しに行くか・・・」


ブライアン「そしてもう一つ言うべきことがある・・・」


彼は声を更に低くしてこう告げた。


ブライアン「既にネプチューン等とは連絡を取っておいた。
     俺達が任務に参加する間、ネプチューン達は皇帝の元へ一時帰還するそうだ。
     ・・・この機会に彼らを利用し、計画を実行する。
     俺達の任務が終り次第・・・
     皇帝を暗殺する。」


アサシン「了解。俺もネプチューンと連絡を取っておこう。
    今のところは彼に皇帝を監視するように言っておくか。」


ブライアン「そう伝えておけ。奴なら上手く皇帝の目を欺ける筈だ・・・」


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リリスが息絶えてから30分が経過した・・・

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~~その頃のザトシ達~~

そこにはザトシ、冷華と、たった今2人と出くわしたクリスがいた。
この3人はたった今リリスを埋葬したばかりだった。
冷華は遺体が腐らないようにリリスを氷で包み込み、
ザトシが掘った穴に埋め、そこに一輪の百合の花を添えた・・・


クリス「正常な心に戻ろうとしていたリリスでさえも死ぬなんて・・・」


冷華「残酷すぎるよ・・・」


ザトシ「問題はブライアンとかいう奴だ。
   リリスが改心しようとしていたのにも関わらず発砲した・・・
   確かに十二使徒を倒すのは正義かもしれない。しかし間違っていないか・・・?
   一体・・・何が正義なんだ。」


3人とも、黙り込んだ。
その時・・・


クリス「あれ・・・あの人・・・」


冷華「・・・アサシン?」


ザトシ「ウーワw」


アサシン「毎回その反応ってどういうことだ・・・
    ・・・まあいい、実は俺達はブルーオーシャンを離れることになった。」


ザトシ「ナンダッテ?」


アサシン「一旦、この大陸とは海を隔てて隣同士である大陸に赴き、
    そこからこの海の沖にある海上基地へ向かうんだ。」


冷華「へぇ・・・で、海上基地ってどこ?」


ザトシ「さすがにそれは秘密だろw」


アサシン「座標データ渡しとくわ。興味があったら来てみな。」


ザトシ「ヲイw」


アサシン「これも過去に助けてもらったことの礼だと考えてくれ。
    だが俺とブライアンの任務の邪魔はするな。」


ザトシ「ブライアン・・・か。前にお前もそいつの名を口にしてたが・・・
   ・・・奴は大したこと無い。」


アサシン「おいおい、そりゃどういうことだ。」


ザトシ「今回奴と初めて会ったが・・・
   奴は・・・改心しようとしていたリリスを射殺したんだ。
   そんなの正義でもなんでもない!
   あんな奴に従うのはやめろ!」


アサシン「正義・・・か。お前らにそれが分かるのか?
    何が正義で何が悪か、線引きできるような立場なのか?お前らは。」


珍しく彼は真面目な顔をしていた。


ザトシ「・・・」


アサシン「いいか、俺が嫌いなのはな・・・
    "正義"を盾にすれば何でもやっていいと思ってる奴等だ!
    貴様等だけの見解で善悪を決め付けるのはやめろ・・・
    分かったか!」


ザトシ「済まん。これからは気をつける・・・」


アサシン「・・・まあちょっと言いすぎたな。俺も悪かった。
    とにかく、正義正義と言い放って自分勝手に振舞うのは今の帝国軍と同類だ。
    お前もそうなりかけているかもしれない。慎んだほうがいいぞ。」


そう言うとアサシンは去った。


冷華「・・・」


クリス「ちょっと考えさせられるね・・・」


ザトシ「そうだな・・・」


正義が何かをもう一度、立ち止まって考える。
それが彼等に与えられた課題だった・・・


ザトシ「一先ず家に戻ろう・・・それから、
   例の海上基地に行くかどうか考えよう。」


冷華「そうだね・・・」


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ここで物語の視点は切り替わる。
次に展開されるのは・・・R・F・Fに立てこもった龍飛達が中心となる物語。

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