正男たちはようやくノヴァを倒すことに成功した。
ノヴァは一番最初の弱い姿に戻り、倒れこんだ。
ワサオ「好き放題暴れやがって…今のうちに奴にトドメを…」
正男「待て!奴は戦う意思を見せていない!」
ワサオ「何だと・・・?今までお前たちはコイツを敵として見ていただろ?なぜ今更かばう?」
哲郎「実はな、俺は上空の島にある遺跡でコイツを見つけた。宝箱に入っていたんだ。」
そう言いながら哲郎は遺跡で見つけた手のひらサイズの宝石を見せた。
ワサオ「それと、何が関係あるっていうんだよ?」
哲郎「その宝箱の中にはこの『ノヴァクリスタル』と一緒に紙切れが置かれていた。」
哲郎はその黄ばんだ紙切れを皆に見せた。
どうやらその紙切れは哲郎の祖先が未来に託して残したものらしく、何世代もの時代を感じさせる黄ばみを見せていた。
そして、その紙切れにはこう書かれていた。
~~
之はノヴァクリスタル。
リップルガーデンの守護神"ノヴァ"の力を宿す石にはべり。
されど、ある日ノヴァはこの石より出でて行ひにき。
子孫よ、どうかノヴァを見つけせば再びこの石に戻してあげたまへ。
~~
美姫「これって…」
ワサオ「・・・」
浩二「ノヴァは、哲郎の故郷の守護する神様だったんだね…」
正男「…そういえば、ポシキに報告をし忘れていたな。」
正男は携帯を取り出しポシキに電話をする。
正男「おーい、ポシキか。とりあえずこっちは何とかなったぞ。」
ポシキ「わかった。今からそっちに行くから哲郎が持っているクリスタルでこいつを封印してくれ」
電話を切る。
正男「哲郎。お前の持っているそのクリスタルでノヴァを封印できるみたいだぞ。」
哲郎「だが、どうやって封印を?」
正男「その石を奴に向けてみてくれ。それで奴を封印できるんじゃないか?」
哲郎「そうだな、やってみよう。ノヴァ、大人しくしてろよ…」
しかし…
ロバート「待って!」
哲郎「どうした?」
ロバート「彼、何か言おうとしてるよ?」
正男「お前、奴の言いたいこと分かるのか?」
ロバート「うん、まあ一応僕超能力者だから、テレパシーでね…」
哲郎「マジかよ…それは是非、奴の訴えを教えてくれるか?」
ロバート「んっとね…」
ロバートは強く念じ、ノヴァの意思を読み取った。
言葉を話せないノヴァもそれに応じ、メッセージを送った。
───みなさん、迷惑をかけてごめんなさい。
だけど私はノヴァクリスタルから逃げ出して外の世界で長い時を過ごし、多くのことを学びました。
正男のように人と人が手を取り合い、協力して前に進んでいくという『友情』
浩二のように時には一人で逃げずに立ち向かう『勇敢』
哲郎のようにどこまでも追及していく『情熱』
逆に美姫のように追い詰められたら感じてしまう『不安』
ロバートが教えてくれた『優しさ』
そして、ワサオのように時には『悪さ』を犯すこともあるけれど
それも一部の人間らしさであると、私は知りました。
それらがみんなに触れたことで私が学べたことです。本当にありがとう。
もう、外の世界に思い残すことはありません。
どうか再びノヴァクリスタルの力として、リップルガーデンの歴史を守っていきたいと思います───
ロバート「…だってさ。」
哲郎「そうか…お前はずっとそんな想いを抱えていたんだな…」
美姫「あたしは確かに捉えられて不安だった…でも、助けてくれる仲間がいるのは素敵なことだよ?」
浩二「僕も不安は感じた…でも、兄さんに頼らなくても僕は一人でも戦えるって、証明できたときは嬉しかったよ。」
ワサオ「俺は悪者か…まあ当然か」
正男「ノヴァ…お前の犯したことはいいことばかりではない。でも、失敗するからこそ多くのことを学べるんだ。
再びクリスタルの力として封印されることになってもお前のことは忘れない…決して。」
哲郎「じゃあ、行くぞ?ノヴァ…これからもリップルガーデンを守ってくれ…」
哲郎が正男に言われたとおり、クリスタルをノヴァに近づけると
次第に影が粒のように分解され、その影が徐々にダイヤの中へと入っていく…
そのノヴァの面影が最後に、哲郎に頷いた…。
数分後、ポシキがきた。
ポシキ「みんな、本当にご苦労だった。」
正男「そんでおまえはこれからどうするんだ?」
ポシキ「俺は今日で管理人を辞める。」
一同「えっ?」
ポシキ「だーかーら、管理人を辞める」
ロバート「それってどういうこと?」
ワサオ「この世界は閉鎖ってことか?」
美姫「そしたらあたしたち消えちゃうの?」
哲郎「そしたら俺の拳がムダなものに・・・」
正男「ま、俺はレギュラーキャラだから別にいいんだけど♪」
浩二「兄さんそれはちょっとひどいんじゃない?」
ポシキ「安心しろ。ちゃんと後継者はいるから」
哲郎「なんだよ。それを先に言えよ」
ポシキ「まあ後継者はそのうちわかるから」
正男「そうだゼドル、最後に聞かせてくれないか。」
ゼドル「何だ?」
正男「お前、どうしてノヴァのことを知っていたんだ?」
ゼドル「強い奴と戦うのが俺にとっての生きがい…だから興味を持った。それだけだ。」
正男「そうか…まあ助かったよ、ありがとな」
そして正男たち6人とポシキとゼドルは解散。